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京黒染めについて

京都に都が制定され約1200年が過ぎました。
永年の王宮の地は、四季折々の美しい自然の変化がありました。
周囲の山々の頂きには、春夏秋冬各々の演出が醸し出され、地から湧き出る清い水は、
南北に流れる何本もの美しい清流となり、緑多い自然環境が、色彩感覚の豊富な人々を送りだしてきました。
そして、染色に欠かすことのできない京都の水が染色に適合して伝統ある京染めを生みだしたのです。

黒紋付染は、17世紀初頭に確立されたといわれています。
江戸時代、武士の間で、びんろうじという植物染料による黒紋付が愛用されました。
染料に含まれるタンニンが刀を通さないほど絹地を強くし、護身用として使われたのです。

現代、紋付羽織袴や女性の喪服などが国民の礼服となり需要は高まりました。
京都の黒紋付染は、明治以降ヨーロッパの染色技術や化学染料の導入によって磨かれ、
藍下(あいした)、紅下(べにした)や三度黒(さんどぐろ)などの技法が確立されました。
深みのある黒色が特色です。